庭に行くと、やはりあの黒い雪だるまは残っていた。

形はまったく変わっていない。ここまで溶けない雪だるまがあるだろうか。

俺があの時、黒いペンキを塗っていなかったらどうなっていたのだろうか。

普通に、何日かすれば溶けただろう。……あの黒いペンキは、一体何なんだ?

「……あっぢぃな」

こんな真夏日にずっと外に居たら熱中症になっちまう。蝉は五月蝿いし。

家ん中戻ってクーラー浴びるか。そう思った瞬間。


 

――光った。

「っ!?」

目が眩むほどの眩しい光が、黒い雪だるまから放たれた。

1分くらいその光は続いた。そして俺はゆっくりと目を開いた。

「……え?」

驚愕した。

理解するのに、数十秒かかった。

そこには……銀髪ロングで碧眼の。

―― 一糸纏わぬ美少女が、そこに居た。

その少女はとろんとした目で俺を見る。

「……?」

少女は首を傾げる。何でこの子、どこも隠そうとしないんだ!

そもそも何で雪だるまから!?意味わかんねぇ!

「あら、いくら暑いからってあの子……」

「あの男の子が脱がせたんじゃないの?大胆ねぇ……」

うわあああああ!!ち、違うんです!!俺は何もしてないんです!!

俺は急いで少女の手を引いて、家の中に連れ込んだ。